Shopify POS / 仕様変更

POS の固定額カスタム割引が
「1点あたり」の値引きに変わる(v11.5)

ライン全体に按分されていた固定額のカスタム割引が、v11.5 から「商品1点ごと」の割引額として扱われる。管理画面・下書き注文と同じ挙動に揃い、店頭での値引き説明がシンプルになる。

このページの構成
  1. そもそも何が変わるのか(30秒で理解)
  2. 具体例で見る Before / After(セーター3枚に $5)
  3. POS の画面で変わること
  4. 変わるもの/変わらないもの 一覧
  5. サードパーティ POS アプリへの影響
  6. 開発者向け : 2026-07 API での対応必須
  7. 技術者が押さえるべき5つのポイント
  8. 業務に活かせる3つのユースケース
  9. 提案で使える1行サマリ

1そもそも何が変わるのか

Shopify POS で ライン項目に「固定額のカスタム割引」を入力したとき、その金額の意味が v11.5 から変わる。
これまで : 入力額は ライン全体から引かれる総額(数量で按分)。
v11.5 から : 入力額は 商品1点あたりの割引額(amount × quantity が合計割引)。
÷ qty

これまで : ライン全体に按分

入力した固定額をライン1本の総額から引き、各商品にはそれを数量で割った額が割り当てられていた。

× qty

v11.5 から : 1点あたり

入力した固定額が各商品にそのまま適用され、合計割引は「入力額 × 数量」になる。

この挙動は Shopify 管理画面と下書き注文(Draft orders)で既に動いているカスタム割引と同じ。POS だけが違っていたのが揃うかたち。店頭で「お一つあたりおいくら引きます」と説明しやすくなる。

2具体例で見る Before / After

記事に出ている例 : セーター3枚のラインに、$5 の固定額カスタム割引を入力した場合。

これまで

$5 はライン全体から

合計 −$5

1枚あたりにすると −$1.67($5 ÷ 3枚)。

v11.5 から

$5 は1枚ごとに

合計 −$15

各セーターに −$5($5 × 3枚)。

これまで : $5 をライン全体に按分 セーター ×3 合計 −$5 → 1枚あたり −$1.67 v11.5 から : $5 を1枚ごとに適用 −$5 −$5 −$5 → 合計 −$15

3POS の画面で変わること

入力欄のラベルが変わる

「Add custom discount」画面の金額欄が Amount per unit に変更され、「ライン上の各商品に割引が適用される」旨の補足テキストが付く。

ラインには合計割引を表示

ライン項目には「入力額 × 数量」の 合計割引額が表示されるので、カート合計はひと目で分かる。

レシートの内訳は従来どおり

レシート上の割引の内訳の出し方は 今日と変わらない

%

%割引・割引コードは不変

パーセンテージ割引と割引コードの挙動は 変更なし。今回変わるのは固定額のカスタム割引だけ。

4変わるもの/変わらないもの 一覧

対象これまでv11.5 から
固定額のカスタム割引(POS) ライン総額 数量で按分 1点あたり amount × qty が合計
入力欄のラベル 金額(ライン総額) Amount per unit + 補足テキスト
ラインの表示 合計割引(入力額 × 数量)を表示
レシートの割引内訳 変更なし 今日と同じ出し方
パーセンテージ割引・割引コード 変更なし
管理画面・下書き注文 元々 1点あたり = POS が揃う側

5サードパーティ POS アプリへの影響

固定額割引を適用するサードパーティ POS アプリ(例 : 卸売・ロイヤルティ系アプリ)を使っていても、アプリは今日と同じように動き続ける

アプリ側のアップデートはあとから来るかも

アプリ開発元が、新しい1点あたりの割り当てを活用するアップデートを後日リリースする可能性がある。

挙動が変わったらアプリのサポートへ

そのアップデート後に特定アプリの割引の適用のされ方が変わったと気づいたら、そのアプリのサポートチームに連絡する。

6開発者向け : 2026-07 API での対応必須

API version 2026-07 以降 : 拡張機能が setLineItemDiscount または bulkSetLineItemDiscountsFixedAmount で呼んでいる場合、渡す値を「1点あたりの割引額」を表すように更新する必要がある。
項目内容
対象 API バージョン2026-07 以降
対象 APIsetLineItemDiscount / bulkSetLineItemDiscounts
対象の割引タイプFixedAmount(固定額)
必要な対応渡す値を per-unit(1点あたり)の割引額に変更する

7技術者が押さえるべき5つのポイント

×qty

1. 値の意味が「総額→単価」に反転

同じ「$5」でも、合計割引が数量倍に膨らむ。金額そのものでなく 解釈が変わるので、移行時の検算が要る。

POS admin

2. 管理画面・下書き注文と挙動が一致

これまで POS だけがライン按分で違っていた。チャネル間の割引ロジックが統一され、口頭・帳票での説明がぶれにくくなる。

%

3. 影響範囲は「固定額のみ」

パーセンテージ割引・割引コードは不変、レシートの内訳も不変。変わるのは固定額カスタム割引に限定

2026-07

4. 拡張機能は API 2026-07 で要対応

setLineItemDiscountbulkSetLineItemDiscountsFixedAmount で叩く拡張は、渡す値を per-unit に書き換える。バージョン更新前に確認。

5. サードパーティアプリは即時には変わらない

卸売・ロイヤルティ等の固定額割引アプリは 当面は今日どおり動く。開発元が後日アップデートで per-item 割り当てに対応する可能性があり、その時点で割引の出方が変わったらアプリ側サポートに問い合わせる。自社拡張とアプリで対応タイミングがずれる点に注意。

8業務に活かせる3つのユースケース

−$5 −$5 −$5 店頭
USE CASE 1

店頭の「1点ずつ値引き」をワンタップ運用に

課題
同一商品をまとめ買いする顧客に「1点あたり◯円引き」を提供したいが、従来はライン総額で入力するため、数量を掛けた合計を毎回スタッフが暗算していた。
打ち手
v11.5 で Amount per unit に1点あたりの引き額をそのまま入力。合計はラインに「入力額 × 数量」で自動表示される。
効果
店頭での計算ミス・伝達ミスが減り、「お一つあたり◯円引きです」と顧客に説明しやすくなる。
技術メモ
パーセンテージ割引・割引コードは挙動不変。固定額カスタム割引のオペレーションだけ手順を見直せばよい。
POS admin Draft
USE CASE 2

チャネル横断の割引ルールを「単価あたり」で統一

課題
POS だけ固定額がライン按分、管理画面・下書き注文は1点あたり、と挙動が割れていて、社内マニュアルや帳票の説明が二重化していた。
打ち手
v11.5 で POS が他チャネルと同じ「1点あたり」に揃うため、割引運用ルールを per-unit に一本化し、店頭・バックオフィス・EC のマニュアルを統合する。
効果
チャネル間で同じ入力が同じ結果になり、教育コストとオペミスを削減。値引き額の監査・突合もしやすい。
技術メモ
レシートの割引内訳の出し方は不変なので、帳票テンプレ側の改修は基本不要。変えるのは入力時の解釈のみ。
FixedAmount per-unit 2026-07
USE CASE 3

POS 拡張機能の 2026-07 API 移行を前倒し検証

課題
自社開発の POS UI 拡張が setLineItemDiscountbulkSetLineItemDiscountsFixedAmount で呼んでおり、API 2026-07 に上げると割引額が数量倍に膨らむリスクがある。
打ち手
該当呼び出しを棚卸しし、渡す値を per-unit(1点あたり)に書き換え。サンドボックスで複数数量ラインの合計割引を検算してからバージョンを上げる。
効果
API バージョン更新時の過剰値引き事故を防止。リリースタイミングを 2026-07 前にコントロールできる。
技術メモ
サードパーティアプリ由来の固定額割引は当面従来どおり動くため、自社拡張とアプリで per-item 対応の時期がずれる前提でテスト計画を組む。

9提案で使える1行サマリ

「POS v11.5 から、ライン項目の固定額カスタム割引が『ライン総額』ではなく『1点あたり』に変わり、管理画面・下書き注文と挙動が揃う。
店頭運用は per-unit 入力に切り替え、API 2026-07 以降は FixedAmount を呼ぶ拡張機能の値を per-unit に更新すればよい。」